五葉松の家(新築) Pinus Parviflora House (New building)

五葉松の家(新築) / Pinus Parviflora House (New building)

敷地の北側に立つ五葉松が目印の家。神社やお寺へと続く前の道は多くの参拝客や観光客が通り、五葉松は住民にとっても観光客にとっても参道の風景の一部と化しているであろう。この象徴的な五葉松を中心とした前庭に、外観の素材感と配色を合わせた。家が主役ではない「庭の木々、草木に控える家」。石垣から見下ろすように道行く人への圧迫感を得ないよう、京都の町屋によくみられる厨子二階の意匠を採用し通常の二階建てよりも全体の高さを低くした。また家が建つことによる自然への影響をなるべく軽減するため、積みなおした石垣や新たに積んだ石階段、玄関口までのアプローチはモルタルを埋めず空積みにし水と空気が行き交うよう配慮した。建物の高さを意識的に抑えたことにより室内は標準の天井高より少し低くなっているが、梁を見せ、吹き抜けを利用することで開放感のある空間となった。玄関、トイレ、書斎、二階の壁は自然素材の粘土塗料を施主が希望で自ら塗った。

- 建物情報 -

所在地京都市左京区
構造規模木造合金メッキ鋼板葺二階建
延床面積約106.81㎡ 
竣工2024年2月
用途住居
施工ミツワ産業